「孝之……オマエ、狂ってるよ……」
「……それがどうした? 遙は誰にも渡さない……例え死神が相手でも」
──ナニガ、ヒトヲ狂ワセルノカ
「信じつづけてきたものほど、もろいものよ」
ああそうか……これは、夢だ。
「遙……どうして何も言わないんだ……」
違う。黙っているのは、俺が君の声を、忘れてしまったから。
瞳の色さえ、あやふやにしか思い出せない……
──ソレハ、ハタシテ夢ナノカ
『孝之君……永遠を、永遠に変わらない想いを……ちょうだい』
望んでも、望んでも、届かない、彼女の笑顔──
君が望む永遠パラレルストーリー
またもう一つの永遠
(心理学科の鳴海君でしょ? 結構かっこいいし気も利くし優しいし。後輩に人気高いよねー)
(でも彼はだめだよ? あの人は天国の女に惚れてるんだから)
──死んだ彼女を毎日駅で待ってるんだって?
振られたことを認識できないただの男だろ?──
──違う違う、彼女が何年も意識不明なんだって。毎日枕元で語りかけてるって噂
近づくとやんわり拒まれるって。死んだ女が相手じゃ勝てないわよね──
──鳴海って鳴海孝之? ああなんか彼女殺されて、今でも仇追いかけてるとか
え、殺したのは自分だってよ? 過失でさ。毎日墓の前で泣いてるって──
──ナニガ狂ッテイテ、ナニガ正常ナノカ、誰ニワカル?
「噂なんて放っておけよ。むしろ誰にも邪魔されなくていい……それだけさ」
「いつか俺は遙を取り戻す……それまで」
「俺にとって本当の事は何もない」
「いいぜ速瀬。お互いが必要なのは本当かもしれない……」
「それなら一緒に行こう……遙が目覚める、その日まで」
「速瀬が望んでたのはそんなものじゃない!」
「……なら、やめればいい」
「……!」
「俺は何も頼んじゃいない。俺には何もないんだ。遙以外には」
「孝之……オマエ、狂ってるよ……」
「……それがどうした? 遙は誰にも渡さない……例え死神が相手でも」
──掛ケ違エタボタン、壊レタ歯車。
ドコカラ間違ッテイタノカナンテ、オモイ出セナイ──
「どうして……どうしてあの日来てくれなかったんですか!」
「姉さんは……一瞬だけ意識を取り戻したのに……っ」
「は……るか……が……?」
そんなことがあるわけが……
「最期に鳴海さんに……ごめんなさいって……」
嘘だ……っ!
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君望第1章の衝撃から3年。
これは、狂信的な想いの証。
全てを諦めなかった孝之の記録。
君が望んだ、もう一つの永遠の物語。
君が望む永遠サイドストーリー「Yet Another Eternity」
近日公開予定・ご期待ください。
……以上は
没原稿です
(^^;;
近日公開予定じゃありませんのでご了承くださいませ。
ハードディスクの中を掘り返していたら見つかった文章。一部
「100の質問」に記載してますが……。一時期書きかけたシリーズなんですが、
あまりに救いがないので終了。……でも、こういう文章の方が実は好きだったりするのかもしれません……うーむ。
でもこの方向性は一度書いてみたくて、練り直した結果が拙作
「if」シリーズとなったのでした。
そう、あの「if」ですら、如星視点からすれば
救いがまだある部類だったりして……
(ぉ)
【あゆ】「救いのないのはコイツの脳味噌ね」
……と、ともあれ「if」を未読の皆様。
ちゃんと救いもグッドエンドもある作品ですので、こっそりお読みいただければ幸いです
(^^;;