元ネタが分からないとさっぱり意味不明なことをトップに持ってきてはいけません>自分。
お詫びにいつかこれをネタにギャグSS書きます
(^^;;(そんなこと言っていいんだろうか……)
というわけで
あゆあゆシナリオです。
意外や意外、かなりの評価ができるシナリオでした。
あ、孝之君の「評価」は別ですが。当然、遙、茜、水月の「メインシナリオ」の観点からすると、許し難いシナリオではあります。特にこのシナリオの孝之は、この3人にはもう二度と顔が合わせられない程酷い奴になってますね。
何せ、この遙、水月に関して、彼は
何も決めていない。何も行動をしていないに等しいのです。ずるずると優しさの名を借りた防衛本能で、結局周りを傷付けてまわる……そんな役ドコロでした。
(以前書いた通り、この手の評価はこのシナリオ内に限るのですが。)
特にシナリオの流れから言えば、せめて遙とキッチリ決着をつけて欲しかった。エンディングまで結局あのままなので、あゆとの未来に思いを馳せることができなくなってしまうんですね。あゆとの絡みはなかなかに良いプロットなだけに残念です。プレイヤーを満足させるシナリオの完成度として、あゆハッピーエンドも十分アリだと思うのですが……製作者としては、あゆエンドはバッドエンドに準ずる扱いなんでしょうね。孝之のヘタレぶりを見て欲しい、と。ま、それも手法の1つなので、それはヨシ。
あ、ただ最後まで声優さんには馴染めませんでした……
なんつーか、あの独特の口調と冷めた感覚に、もう少し勢いを加えて欲しかったところです。結局音声オフにしてプレイしてました。
さて、このシナリオの主人公は
大空寺あゆ様です。はい。明らかに。
孝之がいつ頃すかいてんぷるで働き出したかはわかりませんが、あゆとはおそらく1年半程度の付き合いなのでしょう。そう考えるとあの騒ぎ合いも随分と長いわけで、孝之にとっても辛い時間を忘れていられる貴重な相手になっていたのでしょうね。
逆に、何故あゆが孝之に惚れたかは
まったく不明。
初めてまともに接した年の近い男だっただけでは……という気すらしてきます。ま、恋愛なんて何がきっかけになるか分からないし、その点孝之は決して悪い男ではありませんからね。
そう、このシナリオの注目点は
孝之なんじゃないでしょうか。
もし3年前、あの事故がなければ……遙と今も付き合っていたかは別として、彼はこのすかいてんぷるで見るような男になっていたのでは、と思います。それは、2章で水月といるときの彼とも少し違う。
優しくて自然と気の利くところもある。頭の回転も悪くなく、機知に富んだ受け答えで「話していて楽しい」と相手に思わせることができる。水月といるときは完全に「甘え」モードというのもあるのでしょうが、どこかに彼の鬱を感じてしまう。ぶっきらぼうになり切れてない、とも言えますね。それは水月のせいでもあるのでしょう。水月の
「ぶっとばすわよっ」を
久しぶりに聞いた、という時点でもう私は彼らの関係に不安を抱いたものです……そんな口もお互い利けてないの?と。
もしあの事故がなければ。彼なりにいろいろと失敗もして、もう少し「本当の優しさ」の意味を知った、それこそ女性受けする男になってたんじゃないかなぁ……そう思わせてくれたシナリオでした。3年間の痛みは、決して彼を強くしたわけではありませんから、ね。むしろ、優しさを裏切ることに臆病になり過ぎてしまったんでしょう。ちょっと、ヘタレモード時の孝之君にも同情。
そのあゆシナリオの山場と言えば、もう私が密かに呼称している「
大空寺精神音速砲」の水月に対する斉射、及び「捨てちゃった」でしょう。
(オチを除けば……)
知らないが故に。そして、知っているが故に。
孝之にも、他の誰にも為し得なかった、水月と孝之に目を覚まさせるというコトを一瞬でやってのけた。この瞬間
マヂ惚れました。
アネキと呼ばせてください。
……チャチャは置いといて。
過ごしてきた時間や、複雑な事情を、あゆは知りませんでした。しかし、そんな「事情」が当事者たちの言い訳に使われることが多いのも、また事実。過去がどうであれ、今この瞬間に、相手をどう想っているのか。それが一番重要だということを、知らないが故に看破してしまえたのですね。
そして、打算的な行動、見返りを求めての献身がどういうものか、知りすぎているが故に……我慢がならなかった。
「自分はどうにかしたい、でも相手の希望もかなえてやりたいなんて……妄想してるっていうのさ」
自分も傷付きたくない、孝之も傷付けたくない、だから愛してるという……水月の妄想、ですね。
ちなみにこの瞬間、あゆに物凄く親近感湧きました。
……いや、ゲーム中最も私・如星に似ていたもので
(^^;; 容赦がないというか。でも、こういう容赦のない正論をぶつけて、憎まれることも必要だと知っているというか。
(もちろんワタクシはあゆ程かっこよくありませんケド)
このあゆの「強さ」が、引き続いての「総捨て」につながって来る、と。
このときのあゆを問い詰める孝之の台詞、よく読んでみれば……なにも言ってないんですね。孝之お得意の「そんなことは言ってない」調に。大切なものを勝手に捨てられたと言うけれど、大切にしなきゃいけなかったものの間違いじゃないのか……? そう彼自身気づいたからじゃないでしょうか。
あゆに近いものを感じる私でも、ここまではできない。できないですが、孝之には、一番必要な人なんじゃないでしょうか。
あくまでこのシナリオ内限定ですが、孝之は「3年前のように愛せよ」「2年間の想いに応えよ」という無言の声にずっと押し潰されていた訳で。他シナリオでは、実際彼の心が遙にあったり、水月にあったりして、巧く行く。しかし、そのどちらでもなくなるという状況も十分に考えられます。そんな時どうなるか、という回答が、このシナリオで提供されているといっても良いんじゃないでしょうか。
そのとき、かなりの時間を過ごしてきて、おまけに頭の回転も精神レベルも
(笑)同じ人が近くにいてくれて、……うう。ゲーム内とはいえちょっと孝之に都合良すぎ……
そうだ、だから孝之、飲んでやれ
(爆死)
そんなわけで、事故の外にいた孝之と、超必ストーンテンプルの撃てるあゆを眺められる、なかなかに印象深いシナリオとなったのでした。あー、ほんと願わくば、遙と決着つけたエンドが見たかった。以上っ。