VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
お久しぶりです。維如星です。
実に一ヶ月ぶりの更新です。もし一ヶ月以上更新がなかったら=できなかったら、このサイトを閉鎖することも考えていました。放置されたウェブサイトなんて哀れなモンですからね。この一ヶ月間、特に死ぬほど忙しかったというわけでもなく、ただただ「何かを外に向けて出力する」という気持ちが持てずに、ずるずると一月が経過。酷い花粉症と、それによる慢性的な睡眠不足が限りなく精神に影響していた面は否定できませんが。
それでも3月後半からは、普段の如星のペースからみれば異常な速度で、新しい「入力」を貪ることに集中してました。ええ、新しい小説、シリーズ物、漫画、溜めてて見ていなかったアニメ、etc.etc.。同人誌を積み上げて中々読まないことからも分かりますが、如星の日々のコンテンツ摂取は基本的に「再読」の方が多く、新作開拓の頻度は意外な程少なかったりします。ま、それがこの2−3週間に限っては、貪欲と行っても良いぐらいな量は消化してました。
今更ながら思うに、良質のコンテンツの入力、何かを「出力」しようと思わせるだけの、魂を震えさせる創造物の摂取が根本的に足りてなかったように思います。正直、二次創作の元として昨夏から書いているFateにしても、実は質的にも微妙に不満・不足があったのを、自分を誤魔化して書いていた面がないわけでもありませんし(無論、書くに足る強さはもちろんあったので念の為。二次創作なんて義務感でできるものではないです)。アマチュアな如星は、自分の心が震えた量以上のアウトプットが出せるわけがないのです、実際。
ともあれ、一応の日記再開です。さーて、こっから本当に復活できるか否か。少なくとも日記ベースぐらいは復活したいところですが、上みたいな偉そうな文章をブッといて、明日から早速更新が途絶えたりしたら大笑いしてやってくださいませ。
今日の一滴="−−−−" (2005/04/12)
もう過去一ヶ月の日記を追い書きする気はないのだけど、ひとつだけ例外として、元の日付の場所に教皇ヨハネ・パウロ2世聖下の帰天に際しての日記を記述。……いや、やっぱりファンとして、何かしら書いておかないと気がすまないのが二次創作屋の性でございますな。
過去日記は書かないと上でも言いつつ、折角撮ったモノがあってもったいなかったので、今月9日の花見散歩写真でも公開。……ネタがない時は写真ネタとか言わないように。
とりあえず靖国の桜を目指して市ヶ谷駅からてこてこと歩く。直進してももったいないので、神田川沿いの桜を眺めつつ、見事な桜吹雪の中を歩いていく。実際結構風は出ており、時折桜吹雪が顔に当たって痛いほどで、こりゃ週明けまでは持たなさそうだ。
左はその川沿いの桜。斜面の桜が際限なく水面まで枝を差し伸べている様は圧巻。水面が文字通り花びらで埋め尽くされていて、花をかき分ける小船の航跡がくっきり見えるのも一興。
途中、こちら側の岸に一本だけ濃いピンクの桜が生えていた。こいつだけはもう葉桜だったし、山桜の一種なのかねぇ。
それにしてもやっぱり桜の季節、宴会目的のご苦労さん場所取り連中を除いても、結構な人出。士女打ち連れて嬉遊す、これ踏青なり……と。なんだかんだ言っても人間、青を踏んで外に出るのが好きなモンですな:)
さて、ちなみに如星はこの日人生で初めて靖国神社に到達。いやー、思っていたより大きいというか。単に建造物の巨大さなら今時そこらのアパートだってでかいけど、あれは人間サイズの構造物を縦横に重ねているだけの大きさであり、こういった神社のように、そのままスケールを拡大したかのような建築物を日本で見るのは珍しい経験かもしれない。ちょうどヴァチカンの話がホット(ウェット?)だったこともあり、何処となく聖ピエトロ寺院、同じように引き伸ばしたような大きさを持つ教会を思い出したり。ま、政治的位置付けとしてもその類推はあながち間違ってもいないのかもしれないけれど。まぁなんというか巨大な菊の御紋とか初めて見ましたよ。
さておき、靖国内の神社は丁寧に保護・管理されているだけのことはあり、流石に見事。ま、どの桜にも寄贈した戦友会の札が下がってたりして、気の引き締まる部分もあるのだけど。それに曲がりなりにも靖国神社内、酔っ払いがうろつくこともないおかげで、実に快適な花見散策が楽しめた。正統おのぼりさんらしく東京基準桜を写真に撮ったり:)
また能楽堂と桜など、やっぱり桜の木は日本建築と見事に合うものだと痛感。能楽堂前のベンチに腰掛けて(意外と競争率は高くない)、このために先日買っておいた焼き鯖の空弁を頬張る。雲ひとつない春の空、一面の桜、柔らかな光を浴びる日本建築、そしてダシの効いた焼き鯖。いやー、幸せ幸せ:)
ちなみに靖国の展示館(遊就館か)は、また日を改めて別途来直してもいいかもしれない。タダで入れる入口の展示をトイレに寄りがてら眺めてきたけれど、帰宅後ぐぐってみれば、中にはタイムリーにも、ちょうど最近読んだローレライなどでもお馴染み(?)の酸素魚雷や特攻潜水艇「回天」の展示なんかもあったらしい。行く前に調べておくんだったとちと後悔しつつ、ま、今日は純粋に桜日和を楽しめた、ということで。
……オチなし。
今日の一滴="−−−−" (2005/04/13)
最近「コンフィチュール」なる単語を時折目にする。
ぐぐる様曰く、要するに最近の流行りモノのジャムの事らしい。発祥の地フランスの単語を使い、単純なジャムよりも幅広く柔軟な発想で作られる「果実煮込み」なのだ、と差別化したいようだ。
流行りモノにはさして興味を示さない如星だけど、詳しく検索先を見てみれば、そこに並んでいたのは「ブルーベリーとヘーゼルナッツ」「マンゴーと黒こしょう」「キャラメルと発酵バターとゲランドの塩」……怪しい食い物といえば如星の出番じゃないか(何)。 いや実際にはもっと普通の一般受けしそうなラインナップもあるのだけど、これは如星好みのマニヤックな味も揃えているに違いないと期待が膨らむ。見つけたページは鎌倉の店だけど、銀座にもコンフィチュールを扱う店、そのまんまな名前の「コンフィチュール エ プロヴァンス」があるとの事、早速会社帰りに相方を誘って襲撃してみた。
2Fのカフェがやっていたので、そこで6種類ほど特徴的なジャムを選んで試してみた。確かに「ジャム」というイメージとは異なり、例えば青林檎と生姜なんて組み合わせは、口にした瞬間にサンタ・マリア・ノヴェッラのフレグランスを思わせるような複雑な甘みと香りを味わえたし、ローズマリーと柑橘の組み合わせという、まるで肉料理のフルーツソースのような味わいも。どれも果物の味がしっかり現れており、ブラッドオレンジを使ったジャムは、確かにあの特徴的なブラッドオレンジの「味」のまま、慣れ親しんだ「皮の苦味」を持つマーマレードになっていた。
結局、今回は「洋梨・緑ピーマン・コリアンダー」「パイナップル、ミント、ローズマリー、タイム」「青林檎、ビーツ」の三種をゲット。怪しい食品好きの欲望を素敵に満たしての帰還である。
しかし、今日のこの店の対応には不満を持った。日本に馴染みのない食材を積極的に伝道しよう、という意志がどうも伝わってこないのである。正直買い込みはしたけれど、本気で売る気あるのかな?というのが店を出た時の感想だった。
数十種のジャムを揃えていると聞き、茶屋やバーで培った如星の第一法則「餅は餅屋」を発動。無理に知ったか知識で選ぼうとせず、素直に自分の好みを伝えて、自分の食べ方や趣味に合いそうなジャムを選んでもらおうと思っていたのである。……が、最初に応対してくれた女性は決してアルバイト風ではないにも関わらず、何故か根本的に話が噛み合わない。こちらが好みを伝えたり傾向を聞いたりしても、名前と見た目で選ぶ客向けの売り文句しか口にできないのだ。カフェで6つのジャムを選ぶ際に案内してくれた男性は、まだしっかりと個々のジャムの特性を伝えてくれたり、合うもの合わないものを挙げたりはしてくれたのだけど。
店の作り・売り方にしても、例えばこれだけの種類が置いているのに、試しに香りを嗅ぐことすらできない(味見させろとまでは言わないから、小瓶のサンプルでも用意すればいいと思うのだが)。店内はファッショナブルなディスプレイだけど、一方で閲覧性に欠けていて、多数のジャムを系統立てて見るのが面倒だったりする。それでも店員が積極的なリコメンドができるなら良いのだけど、現実は前述の通り。意地悪く言えば、流行に乗って来た深く考えない客に、名前と見た目で捌こうとしているようにも見えてしまう。……きちんと文化を伝えて固定客層を残さないと、流行りが廃ったらオシマイだと思うんだけどなぁ。
ま、最初に挙げた「Romi-Unie Confiture」辺りは初期伝道師らしく、きっともう少し気合が入ってるのだろうと期待する。買い込んだコリアンダー入りコンフィチュールの幸せに浸ったら、今度は鎌倉に行ってみようかな:)
銀座に寄ったついでに、マリアージュ・フレールによって茶葉補給。が、またしてもプリンス・ボーディダルマが品切れに。前回も結構長いこと欠品だったので、次の輸入までしばらく我慢の日々が続きそうだ……orz
今日はいち早く並んでいた春摘みダージリンを一種購入。普通春摘みダージリンの新茶がお目見えするのはもう少し先なのだけど、これは航空便輸入物らしい。値段もそれほど馬鹿高いわけでもなかったので、3種類の中から「ヌーボング」という耳慣れない名前の農園茶を買ってみた。マリアージュ以外では聞いたことがなく、実際マリアージュでも今年初めて入れる農園だとか。農園自体の歴史は古いらしく、古木らしいどっしりとした強さのあるお茶とのこと。落ち着いて飲めるときに丁寧に入れてみよう:)
今日の一滴="−−−−" (2005/04/14)
珍しく会社関係の飲み会に参加。「誰とでもできる話なら俺とするな」「クズ酒の飲み放題に5000円も払わすな」とゆー信条で飲み会を忌避してる事はもう何度も書いたので連呼はしないが(と言いつつしてるし)、まぁ今回は久しぶりだし、面白い後輩なんぞもいたので割とポジティブに参加。適当に飲み食いしてきましたよ、っと。
しかし会自体はまぁ悪くなかったのだけど、例によって服がヤニまみれになるのは勘弁して欲しい。
スプリングコートやスーツの上着は離れた壁に掛けておいたが、それでも煤けた臭いが染み付いてるし、煙いエリアは避けて移動しつつ座ってたにも関わらず、ワイシャツに至っては甘ったるいタールと煙を合わせたような臭さが。滅多なことでは「禁煙」などお目に掛かれない飲み屋、その個室飲み会ってのはこれだから嫌なんだよねぇ。
帰宅後速攻シャツを脱ぎ捨て、スーツとコートには延々ブラシを掛けてからファブリーズをばら撒き、一晩は部屋に吊るしておく。……酔いが抜けて気だるい状態、しかも当然金曜深夜の電車内なんてアホばかりで苛つきつつ帰宅して、速攻シャワーでも浴びて寝たいところ。そこでこんなメンテ作業を強いられてると、なんつーか虚しくなってきますな。以上愚痴ですた。
一ヶ月の日記ブランクが見事に祟ってか、日本語文章力が著しく落ちている模様……。
特に昨日のコンフィチュールの日記を書いていて痛感。書きたい事があるのに、話の導入からポイントまで持っていく構成が作れず、どうしてもだらだらと長い文章になってしまう。いやブランク前の日記が上等な文章だったかと言われれば決してそんなことはないのだけど(苦笑)、以前は少なくとも自分の頭の中では、書きたいポイントを軸にした起承転結構成がもう少し楽に浮かんでいた気がする。
継続は力なり。実際、長いこと日記書きを続けることで、短い文章の中でストーリーを作る力はそれなりに上がったと思う。おかげで仕事メールなどもかなり手早く簡潔に用件をまとめられるようになったりもしたしね(というかマトモなメール文章が構築できない社会人多すぎですよ旦那)。しかし所詮は付け焼刃か、それとも文章力という力は元々そういうものなのか、継続の力は継続を止めればあっさり錆び付いてしまうのであった……。
そういえば、とあるヴァイオリニストが、一日練習をサボった分を取り戻すのには三日掛かる、というようなことを言っていた気もする。一ヶ月サボっていた分ははてさて三ヶ月掛かるのか、何とか頑張って行こうと思う次第(o_ _)o
今日の一滴="ほうじ茶:献上加賀棒茶" (2005/04/15)
五反田から突然移転してしまって行方不明だった(当初閉鎖と思われていた)鴨屋・呂尚に久方ぶりの大人数で襲撃。諸事情により移転先は秘密です。元々ぶどうさんの持ちネタで、よくコミケ等イベントの打ち上げで行っていた名店である。……イベント後に集団で行くぐらいで、一見肩肘張らない飲み屋なのだけど、味は折り紙つき。いや如星自身、コミケ後の飯屋にそんな期待などしてなかったのだけど、最初の突き出しの椀物で受けた衝撃は今でも忘れられない──実際、三段ぐらい上の価格帯でもなかなかでない味。ここのオヤジさんは只者ではない:)
移転後もまったく変わらない味、普通の商店街のど真ん中にも関わらず、土曜の早い時間から既に満席。何より、1時間以上遅れてきた相方に、ここまでに出た大皿料理を一揃い、一人前作って持ってきてくれる配慮には激しく感謝。本当にいい店って、こういうところが違うよなぁ……。
ともあれ、久々の大人数オフで存分に脳内のカビをこそげ落とす。気の合う連中と誰彼と無く、気の効いた会話も馬鹿な話も織り交ぜて投げ合えば、そりゃあ気分も良くなるってモンです。最近仕事上のプロジェクトが保守期に入ってめっきり人が減り、如星自身来月で抜けるとはいえ、会話の少なくなった職場に少々うんざりしていたからかもしれない。この一ヶ月のダウナー傾向も案外その辺りから来てるのかもね。
今日の一滴="蒸留酒:リモンチェッロ(銘柄知らず)" (2005/04/16)
先日マリアージュ・フレールで買った春摘みダージリンの新茶、ヌーボングを早速淹れてみた。マリアージュでの入荷自体初めてな、当然如星にとっても初めての農園茶である。
マリアージュのダージリン新茶独特の風変わりなパッケージを開くと、中には形の揃った小ぶりの茶葉が青々としている。もちろんブロークンではないけれど、見た目は細く短めの中国緑茶を思わせ、鼻を近づければ春摘みらしい緑の香りがふんわり漂う。早速ダージリン用に空けておいた茶缶に移し、まずは沸きたての熱湯でひとポット入れてみた。
裏の能書きにあった「青マンゴーのコンフィのような香り」、青マンゴーのコンフィなど嗅いだことはないけれど、言わんとすることはよく分かる:) あまり強烈に立ち昇る香りではなく、どちらかと言えば、顔を近づけるとどっしりとした濃厚な緑の匂いが香ってくる感じだ。水色は淡い琥珀、そして口当たりの良い苦味。他の紅茶の渋みとは全く異なる、旨みと青みとしか言いようのない渋さ。どちらかと言えば緑茶の渋みに近いけど、立て続けに飲んでも喉の上の方に残る感じがないのが大きな違いだ。──うーん旨い。今シーズン最初の春摘みダージリンとしてはかなり幸せなスタートである:)
ちなみに紅茶は何煎も出すものではないけれど、ポットに残った茶葉が熱いうちに常温の水を入れ、しばらくほおって置くとお手軽な水出しダージリンの完成である。純粋な水出しよりも、一度熱湯で開かせることで、水出しならではの透明感こそ減じるものの、しっかりとした味がでるようになる。こいつを大き目のグラスに注ぎきってゴクゴクとやる。くはー。これもまた果てしなく幸せ。茶飲みの幸福これに極まれり。
その後、緑茶のようにぬるめの湯で長めの抽出で入れてみたけど(春摘みダージリンに良く推奨されている淹れ方)、確かに甘みは深く出るようになる。しかしこの茶葉は早期の収穫を航空便で送り込んだ初物中の初物、どちらかと言えば熱湯をしっかり注ぎ、春摘みならではの緑の匂いと苦味を楽しむ方が向いている気がする。少なくとも、その方が渋みを好む如星の茶趣味には合っているようだ。まだマリアージュには在庫があると思うので、ダージリン好きは是非一足早くお試しあれ:)
今日の一滴="紅茶:春摘みダージリン新茶「ヌーボング」" (2005/04/17)