VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 09月中旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2005-09-11-日】

マザー・テレサ:現実と宗教と

映画「マザー・テレサ」観了。

映画の出来としては事前に聞いていた通り。映像の出来は良いけど構成は凡庸、しかし素材があまりに見事なので観られてしまう、といったところ。実際、物語としてはマザーの人生のダイジェスト版といった感じで、もう少し中心となるエピソードを何か据えればより良かったのになぁ、とは思う。

しかし、何と言ってもマザー・テレサ。その生き様だけで十分見応えがある。そもそも如星は先代教皇追悼として感情的に吹き出した文章に表れているように、宗教の枠の中に篭らず、現実から目を背けず現実の中に生きるを良しとし、それでなお宗教人としての背骨が一本通っているような人物に弱いのである。もちろん政治に容喙する安っぽい宗教屋の事ではなく、むしろ政治のみでは届かない領域に、宗教の持つ精神への影響力を持って当たるような存在。その目的のためならば、偽善と呼ばれるのも厭わないような人物。……ヨハネ・パウロ2世が彼女を速攻列福したのも何となく分かる気がする。この二人は似たもの同士だったんじゃないかな、とね。

定番句を引用して締め。この台詞とあの映像が結びつくと、俄然言葉に重みが出てくるのは確かである。

あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
気にすることなく、善を行いなさい。

善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう
気にすることなく、し続けなさい。

助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく助け続けなさい。

あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。
けり返されるかもしれません。
でも気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。

──マザー・テレサ

今日の一滴="−−−−" (2005/09/11)

【2005-09-12-月】

アサマシフィルタ

実に個人的な話だけど、如星はamazonアソシエイト、通称アサマシリンクが好きではない。

理由は別に浅ましい云々とは全然無関係の単純なモンで、アサマシリンクを踏んで歩くことは、同時に一種の「Webバグ」となり得るからだ(Webバグについて更にこちらが詳しい)。ユーザーがどのアサマシIDを辿って来たかを知ることは、ユーザーが見ていたWebページを知るに等しいのだから。

無論、amazonはそのプライバシーポリシーで「そんなことはしない」と謳ってはいるし、基本的に個人ページに置かれ、「踏まなければ問題が発生しない」アサマシリンクなど、既に無数にばら撒かれて強制的に飲み込まされているWebバグに比べればかわいい物ではある。ただ一方で、amazonは「無記名のID」ではなく、登録されている「個人情報」とそれらの行動情報を結び付けられる、という「強み」がある点を忘れてはならない。本気でこの手の情報を利用しようとすると、アサマシ設置場所が個人ページな以上、それらのページの自動文脈解析による分類等の追加技が必要になるだろうとは思うけど、それでも単一の企業が自サイトの枠を越えた情報収集を可能にする技術が裏にある、という認識ぐらいはしていて損はない。

……しかし、日記記事等に張られた関連書籍リンク自体は便利なモノだし、これを踏まないってのは面倒である。ぞねリンクは欲しいがアサマシは嫌。しかし別に他所様がアサマシるのを辞めさせようなんてアホな考えも持ってない以上、こうなればフィルタ様・Proxomitronの出番である:)

というわけで参考までに。如星自身はアサマシっておらず、リンクの生成ルールを把握しているわけではないのであまり信頼性はないけれど。特に二番目のはもう少し巧い方法はないかなと思いつつ、正規表現使いにはなれず仕舞いの今日この頃。

Name = "Amazon Asamasi Deleter"
Active = TRUE
URL = "(^*.amazon.co.jp)"
Bounds = "<a\s*</a>"
Limit = 512
Match = "\1 href="(http://(www.|)(amazon.co.jp|amazlet.com)/*/ASIN/*/)\2*' \3"
Replace = "\1 href="\2" \3"

Name = "Amazon Asamasi Deleter2"
Active = TRUE
URL = "(^*.amazon.co.jp)"
Bounds = "<a\s*>"
Limit = 512
Match = "\1href=["'](http://(www.|)amazon.co.jp/*/redirect\?*)\2tag=*([&"']*)\3"
Replace = "\1href="\2proxozzzz=hoge\3"

おみとろん様々・自由はコインの表裏

余談になるけど、上にも書いたとおり、如星のWeb閲覧環境では自前でフィルタの書けるProxomitronが現役活躍中である。特に広告バナーやflash等を除外するフィルタではURLのブラックリスト等を外部ファイル化できるので、フィルタ自体が一揃い書きあがった今では、鬱陶しいホスト名を見つけ次第リストに突っ込んでいくだけで対応できる。まぁそれは最近のポップアップブロック等も似たようなもんだろう(と推測)

大抵の解析系のバグ画像はこれで気づき次第潰せるし、また何故かこの手の解析サイトは特徴的なホスト名(analyzeとかtraceとかw)をつけているので、そーゆー名前のモノは追記するまでもなく一揃い潰しておける。また特にエヂで閲覧をしている時=低速回線時には、広告系のiframeやらembededやらscriptを回避できるのがありがたい。……そんな拒否リストの中で、地味にエヂ閲覧時に活躍してるのが blogpet.net や harbot.so-net.ne.jp だったり(苦笑)。最近じゃ blog-tunes.com などと言う、御丁寧にもBGMを流してくださるところまであるようで。ブラックリスト直行。

いずれにせよ、一方で如星は「製作者側の自由」というのを無制限に認めるスタンスを取っていて、何を置こうが何を書こうがアクセス制限をしようが無断リンクを禁止しようが(笑)、見る側がとやかく言うことはできないと思っている。他方「閲覧者側の自由」ってのも最大限に愛してるので(例えば無断リンク禁止宣言を無視する自由なんてのも行使させていただいておるわけですが)、そんな自由が技術面でも保証されてる世界ってのはいいもんだと思うわけですよ:)

今日の一滴="−−−−" (2005/09/12)

【2005-09-17-土】

ネタの風化速度・日記の意味

最近面白いネタ・書きたいネタは結構あるのだけど、書く時間が取れないままどんどん風化していってしまう今日この頃。風化直前まで書こうと足掻いて風化して消してしまってモチベーションが下がるとゆー古典的な悪循環も発生中。……かるーい日記を書いて行くぜキャンペーンを展開したいとも思うんだけど、一方でやはりある程度は「読み物」として成立する日記にしたい、という思いもあり。日記書きは文章書きにとっての日々の修練にもなってるしね。

ここに改めて、かつてのSFCAntenna管理人氏の「日記感」を引用してみる。

読みたい
  • 生活のにおいをライトに書いている日記。所帯じみすぎなのはダメだけど。
  • 自分では考えも付かないような視点を持っている人の日記。
  • 情報紙的な日記。なにを取り上げ、なにを取り上げないかの選択のセンスがないとできない。
読みたくない
  • 愚痴ばっかりの日記。やれやれ系の日記。こっちまでダークになってきちゃう。
  • 論文調の日記。毎日読むにはつかれる。たまに読む分にはOK。
  • 客観的事実だけの日記。その書き手自身に対してよっぽどの興味関心がない限り読む気が起こらない。
  • 彼・彼女の話ばっかりの日記。・・・勝手にやっててください。
  • 他人にはなにがなんだかわかんない日記。案外多いのがこれ。
SFCAntenna管理人

ううむ。「読みたい」の3番目、「読みたくない」の3番目辺りが特に重要か。

日記ナビゲーション

日記ページの一番上とトップページの下の方に、最近の日記5つに対するリンクを出力する機構を組み込んでみました。ちょうど旬を跨いで更新を続けた時に、前更新が埋もれてしまったりもしていたので。ま、例によって自分が見返すための機能なんですけどね。

もちろん、この実装は現実逃避によって行われたことは言うまでもありません。

今日の一滴="−−−−" (2005/09/17)

【2005-09-18-日】

チャーリーとチョコレート工場

映画「チャーリーとチョコレート工場」観了。

いやー、久しぶりに爆笑できる素敵な映画だった。ジョニー・デップが主演、原作が児童文学という程度な前情報のみで行ったので、子供向けなんだろうかとも思っていたけれど、実際にはあのギャグを全て理解するには大人でないと無理。子供が見て面白いかどうかは子供の心を失った如星(笑)にはよく分からないけど、言葉遊び的なネタも多いので子供さんなら素直に吹き替えにしておくべきかな。

まずは主演のデップ演じるウィリー・ウォンカが実に極まっていて最高。奇人変人にして「子供番組のおにーさん」というイカれた役柄を、奇声を上げる(誤字にあらず)デップが見事に演じている。メイクも衣装も完璧にハマっていたし、彼はどんな変なモノを着込んでも問題ないのだと実感。個人的には、あの深紅のベルベットのジャケットが本気で欲しくなってしまった:) また子役チャーリーも面倒見役の爺さんも、ギャグ作品らしい良いリアクションをする人を選んだなー、という感じ。馬鹿笑いする映画こそ、こういう演技面でクサらないのは重要なのだ。

そして、本当に巧い馬鹿笑い映画だった。如星自身、劇場で笑いまくったのは実に久しぶり。まず全編を通じて映像的にも笑いどころがてんこ盛りで、濃ゆいおっさんのウンパ・ルンパ族なんかはお約束と分かってても笑ってしまう。CGの使い方もディズニーみたいな鼻につく感じが無く好印象で、CGネタに頼りすぎてない辺りが良い。また結構高度な、とても小学生に理解できるとは思えないネタも多い。特にチャーリーの爺婆陣の放つ台詞が軒並みシュールでブラックユーモアに満ちている辺りは大人向けだし、そういえば最近の子供は、あのチョコ転送シーンの曲が「2001年宇宙の旅」から来てるなんて分からないんじゃなかろーか。一方で分かりやすいお約束ギャグもキッチリこなしてるし、映像だけにも、台詞だけにも頼らない笑いどころの連続で最後まで引っ張れる力量は流石であった。うん、お約束ギャグは繰り返してこそギャグだよな(謎)

というわけで、子供向けなんて思わずに見に行ってよい、是非お勧めの一本でした。……最後に、ウォンカ父役のクリストファー・リーに、どうしてもドゥーク伯爵@スターウォーズのイメージが被ってしまった点を付記しておく。 全然本筋とは関係ないのだが笑ってしまった:)

チョコレート工場追記・ブラックユーモア

上の日記を読み返してて肝心な点に触れてないのに気づいた。

「あのギャグを全て理解するには大人でないと無理」な理由の一つに、笑いどころの多くが結構キツいブラックジョークだという点が挙げられる。チャーリー以外に選ばれた子供が全員「今時の子供の黒戯画化」だってのは分かりやすいし、その他ウォンカが人間不信な引き篭もりになる理由(幼少期と成功後と)もなんつーか現代社会の風刺そのまま。戯画化された童話って基本的にブラックユーモアになりがちだけど、この映画もその辺をきちんと引き継いでいる感じだ。チャーリーの父親の職場が「歯磨き粉のキャップ締め工場」で、しかも失業しちまうエピソードとか冷静に考えるとすげー黒いよなぁ(苦笑)

今日の一滴="−−−−" (2005/09/18)


 
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