VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
──TSFIA “Colors of Duty”帝都が、燃えている。
空は何処までも重く、地は何処までも赤い。
紅蓮の炎が闇夜を焦がし、低く垂れ込めた重金属雲を鈍く照らしている。足元でまた一つ火の粉が爆ぜ、彼女の深紅の瑞鶴を更に赤々と染め上げた───
一つ、短編執筆のご報告です。今週発売のHobbyJAPAN4月号にて、マブラヴ・オルタネイティヴの戦術機特集「TSFIA」第17回、瑞鶴短編小説を書かせていただきました。帝国斯衛軍の先代戦術機、ノーブル・カラーたる深紅と蒼然たる二機の瑞鶴。これを西日本陥落時の帝都・京都に絡め、重厚な第一世代戦術機らしい死地の防衛戦を描き出しました。
それにしてもこの如星、ノリノリである。……と言わんばかりに、今回は非常に楽しんで書かせてもらいました。チキン・ダイバーズの時もそうですし、実際以前からの二次創作もそうなのですが、自分自身が読みたくてしょーがない作品が書けたときが一番楽しいのです:) 是非ともご一読いただき、そして是非とも一緒にニヨニヨしていただければ幸いです。
また今回は設定協力ということで、某動画原作で知られたDDDさんにご尽力いただきました! 本文中に明示的には出ていないのですが、BETAの北九州上陸から京都攻防戦に到る綿密なタイムライン、市街地戦闘発生の自然な流れ作りなど、地図と戦術眼を駆使した舞台をご構築いただきました。「短編といえど、オルタ全体の流れや後から登場する物語と矛盾しない」のがオルタ系小説の肝だと思いますので、この点で軍事面に詳しい方にサポートいただいたのは大変助かりましたね。
なお本文中でも一部(ご本人了承の下)DDDさんリスペクトな台詞が入っていたりしますので、氏の小説をご存知の方はちょっと気をつけながらお読みいただければニヤリとしていただけるかと思います:)
さて、執筆のご褒美で一足お先に赤青の瑞鶴を手に取らせていただいてたんですが、正直「赤だしなー主人公機体くさいしなー」と、実は元々現物にはあまり興味を持ってなかったのです。
基本的に如星は谷甲州の薫陶宜しきを受け、「社会インフラの一環としての兵器」が大好きであり、必然的に量産型の色気の無さ、合理的カラーリングが好みだったりします。あるいは唯一所持している立体物戦術機の「YF-23」のような、非常にシャープで、戦術機という新しい兵器のコンセプトを体現したようなフォルムにも惹かれますが、一方の瑞鶴は旧世代ということで重厚長大型。小説の題材としては非常に面白い存在でしたけど、三次元造形物欲としてはどうかなーと思いつつパッケージを開けたのですが……。
超すいません。突撃砲を黙々と構えさせるだけで絵になるとは思いませんでした。
いやーこれはアレですね。素人目にはロシアの戦艦が一番強そうに見えるというヤツです! マッシヴ・パイル・オブ・アイアン、いかにも巨大な火力を有し、いかにも強靭な防御力を持っていそうな機体、それが瑞鶴。YF-23の時は格好よく見えるポーズを作るためには色々と捻って「動き」を演出しようとする必要があったのですが、瑞鶴は小細工不要。地に足つけて火砲を構えれば、それが瑞鶴のベストポーズなのだと気付いたのですw
最初の興味なさは何処へやら、久々に腐女子回路を眠らせ男の子回路を全開に、珍しくブンドド撮影など楽しませていただきました。自分が書いたものが立体物になってるって、いいもんですねぇ:)