VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2008-12-14-日】

マブラヴオルタ・欧州方面軍「レイン・ダンサーズ」

欧州方面軍戦域図

壊れゆく欧州。越えてしまった回復不能点。人類はかつてのローマとカルタゴの如く、シチリアを挟んでBETAと対峙する。故郷へ向けて振りかざされるべき刃は、ただ日々の守りのために費やされていた───

久しぶりの新作のご案内です。夏の軌道降下兵短編「チキンダイバーズ」、秋口のタリサ短編「誰が故郷を思わざる」に続き、今冬マブラヴ・オルタネイティヴでお届けする新作は「レイン・ダンサーズのプリマドンナ」欧州方面軍を扱った短編小説になります。

12/27-28のage×Nitro+合同イベントにて販売予定のオルタファンブック、「LD2 Project Prominence」に収録いただきました。物販スペースは入場無料とのことですし、また後日FC通販でも販売予定とのことで、是非ご覧いただければ幸いです。

今回の如星、乗りに乗って書かせていただきました。特に台詞回しなどはかなりの如星節、趣味に走っております:) 分かる方には分かる小ネタも多めに盛り込んでおりますので、お楽しみに!

拝領に留まらないイラスト化の快楽

それにしても物書きにとって、絵師さんと相談しながら自分の作品がイメージ化されていく過程は、何度経験しても毎度楽しく幸せな代物である。スケジュールの都合もあって大抵は原稿執筆と半ば並列でお願いすることになるけど、それが逆に原稿側へのポジティブフィードバックすら生んでくれるのだ。

今回の「レインダンサーズ」では夏の「チキンダイバーズ」の時と同じく、オルタのコミカライズを手掛けていらっしゃる蒔島さんにイラストをつけていただいたのだけど、例えばシーン概要をお伝えするとこちらが想像できないようなアングルの提案が返ってきたり、正直ノーアイディアだった野郎キャラの顔など、キャラを良く掴んだラフを上げていただくことで、逆に書き手としてそのイメージを元にキャラを再把握することも。「二次元空間化のプロ」ってこういう事かと毎度感心してしまうのだ。すげー。

同人表紙等、カラーイラストの時もまた楽しい。これは「同人誌の作り方」でも詳しく書くつもりだけど、君望やFateの同人誌で表紙を戴いていたるろおさん、そして今回の蒔島さんも、何より「他者とイラストを作り上げるという仕事の進め方」をキチンとご存知の方々なので、こちらとしても非常に「楽に楽しく」作業を進められるのだ。

文字作品のイラストは「依頼できてしまえば丸投げ」のイメージを持ってる方もいるかもしれないけど、本来は言わば共同制作、コラボであり、故に段取りが重要になる。早い段階で雑文やラフ画の交換と会話でイメージのすり合わせをしたり、特にカラーの際はラフスケッチにざっくり色を当てて「仕上がりの色の雰囲気」を提示していただき、絵に疎い当方に感覚を掴ませてもらったりと、お互い大幅修正が困難になる原稿終盤でイメージの齟齬が起きないよう先回りして懸案を潰していく、まさに一般的なプロジェクトの姿そのもののやり方が要求されるのだ。

特に芸術肌(?)な方など、ギリギリまで進行状況を共有せず、一発撮りで何とかしようとする方も結構いるらしい。その一発撮りで「イメージと全然違う」状態に陥れば、締切を前に互いに妥協する羽目になったりもするだろう(当然、お互いコラボ相手として慣れてきて、相手の感性に一任して一発撮りをするようなレベルの話はまた別)。如星は幸いにして「進め方を心得た絵師さん方」に初期からお付き合いさせていただいたおかげで、逆に自分の側からも提示できるよう「教育」してもらえたので助かっているのだけど。

一方逆に、コラボの歯車が噛み合った時の快楽は上で述べた通り。当然仕上がりも擦り合わせの結果なのだから満足度も高いし、ある意味で自分もキチンと過程に責任を負ったモノが出来上がるわけだ。物書きとして、作り手として、これが楽しく、嬉しくないわけが無い:) 過去拙作にお付き合いいただいた絵師の方々には、戴いたイラストのみならずその過程まで含めて、毎度素敵な経験をさせてもらってるのだ。物書き冥利に尽きるし、ホント、何度でも感謝感謝である。

(2008/12/14)

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【2008-12-19-金】

秋葉スペインバル「エル・セロ」

秋葉、というか末広町駅の交差点の角に、スペインバル「エル・セロ」なる新しい店が出来ていたので、近場の使いやすい店候補としての期待を込めて早速入ってみた。

補足しておくと、スペインの「バル」というのは、イタリアの「バール」よりもう少し料理に傾いている、立ち飲みやカウンターの居酒屋である。ヴェネツィアでいうバーカロに近い。いわゆる「バー」とは全然違う業態なので念のため。

気楽に真面目な酒が飲めて、旨い小料理がつまめて、かつ深夜まで営業している──この条件を満たせる店って秋葉界隈ではなかなか無かったのだけど、今回の訪問の結果、ついに見つけたといったところ。是非とも流行って長続きして欲しい店だ。

シェリーの揃えはそこそこ、スペインワインを中心に価格帯は低めの酒をツボよく押さえている感じ。酒好き的にはスペインのベルモット(食前酒になる)や、珍しいドングリのリキュール(気分はイベリコ豚)があったのが嬉しかったね。フードは180円のピンチョス(串つまみ)から始まり、基本的には料理はタパス、小皿のつまみ目的用が多く、がっつりスペイン料理が食えるような感じではないが、パエーリャなどの米モノも充実していて腹を満たすには充分。個人的にはピンチョスの充実っぷりがヴェネツィアのチケッティを思わせてニヤリとしたり:)

中央ブロックが禁煙だったり、26時頃までやっていたり(いわゆるバー方式、客がいる間は空いているスタイルのようだ)と、細かく嬉しい点も多い。箱のサイズに比べてフロアの人数はギリギリで、オペレーションがこなれてくるまでもう少し掛かりそうではあるけれど、地元のカードとして今後も積極的に使っていきたい。お堅いリストランテよりバールやビストロ、居酒屋スキーな酒好き・酒肴好きが秋葉に来たなら是非お勧め。なお今のところ「秋葉 スペインバル」等でぐぐると駅前の全然別の店が掛かるようなので注意。

(2008/12/19)

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