MACHINA EX DEO
如星的茶葉暮らし

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The most precious element of this world is "neta". Amen.

【2003-02-21-金】

【シナリオ・ウェブ】

明日は久々のTRPGプレイだというのに、準備が終わっていない……。相変わらずシナリオ作りの遅い如星ですが、今回の問題はシナリオというよりも、むしろ自分の中からプレイ感覚が抜けてる、って方だったりするんですがね。

ご存知のとおり、TRPGは基本となるルールに則って、「ゲームマスター」が展開から敵から全て制御します。マスターが前準備せねばならない最大の労働はシナリオ作り。基本的には、まず「目的」を置き、ツボとなるイベントを揃え、クリア必須条件となる「障害」を設定し、後は「ツボ」を押さえ「障害」をクリアするルートを複数持たせつつ(物書きの感覚で「一つの美しいシナリオ」に拘ってしまうと、「一本道マスター」の烙印を押されてしまふ)、「目的」に到達できるよう計らっていく作業となります。

このシナリオ作り、如星はお世辞にも巧いとはいえないのですが、前回のマスタリング以来「一応は」研鑚し、シナリオウェブを作ったり障害リストを作ったりと、まぁチマチマと積み上げてきた知識を実践する場なので楽しくもあるのです。

しかし……「プレイ感覚」をもっとも必要とするのが「敵」の強さ。プレイヤーを楽しませるためには「強すぎず弱すぎない」バランスを維持した敵を用意していかねばならぬワケです。もちろん、微妙な数値バランスは最終的にプレイヤーが用意してくる「キャラ」に依存するので、ゲーム開始直前やゲーム中にちょいちょいと数値をいじっていく作業は当然発生します。巧いマスターなら、序盤でプレイヤーの強さを試せるようなシナリオを組むかもしれません。

ところが、今回選択している「シャドウラン」というルールは、強さ加減で下手をすればプレイヤーを一撃で殺してしまいかねない、かなり死に易いルールなのです。おまけに簡単に怪我の治るルールでもなく、後から数値をいじる暇もなく序盤でいきなり大ダメージを負わせてしまう可能性があるのデスよ。これを補うのが「プレイ感覚」なんすが……TRPGはともかく、前回シャドウラン自体をプレイしたのはなんと2年前。プレイ感覚どころか細かいルールだって怪しいモンです。巧くバランスが噛み合えば「神速の攻防&ギリギリの線で殺し合う緊張感」を味わえるルールなだけに……悩ましい。実に悩ましい。

……とまぁ、「マゾか」と思うくらいプレイヤに比べて負荷の高いマスターですが、それでもゲーム世界をコントロールできる魅力と、プレイヤが喜んでくれた時の喜びは何物にも代え難く、かくして相変わらずマスターばかりやっているのでありますた。

Summary="ニセからの逃亡" Physical:89 (2003/02/21)

【2003-02-22-土】

【why don't we play a TRPG?】

というわけでTPRGのマスターやってきました。いやー疲れた。でもやっぱTRPGは面白いですなぁ。

今回のルールは先日触れた「シャドウラン」。何度か日記中で触れているけど、一度も解説してこなかったので軽くまとめ。

シャドウランとは、「世界は覚醒した──の言葉で始まる、近未来サイバーパンク+魔法の世界を扱うTRPG。主権国家が衰退し、巨大企業群の完全な支配下に置かれた未来世界、というだけなら普通のサイバーパンクなのだけど、これに加えて突然変異によって生まれた亜人種、同時期に復活した魔法や精霊を交えて扱う世界なのだ。だから「企業人のメイジ」がいたり、自然精霊の証言は法廷証拠能力を持つか?なんてことを争ったりするのである。そんな中で、プレイヤーは企業の論理には従わず、しかし一方で依頼主に企業も含む裏稼業を引き受ける連中、「シャドウランナー」をプレイすることになる。

世界観の説明として、よく引き合いに出されるのは「攻殻機動隊」。まだ政府が消え去ってはいないところや、傭兵的なランナーが暗躍しているところ、身体のあちこちを義体化しているところとか。世界は薄汚くはあるけれど、されど無秩序世界ではない、といった線は、近未来サイバーパンクと言うとすぐに無政府化させてしまう誤解が多いので気をつけなきゃいけないところだ。攻殻との最大の違いにして泣き所は、「昔に考えられた未来のネットワーク」システムで、攻殻世界の面白みどころか、今のインターネットの概念より古臭い。マトリックスのようにネット内で身体を具現化させられたりはするのだけどね、やっぱネットワークの醍醐味はそこには無いってことなんですな。あくまで応用が楽しいのであって。(そう考えると、同じぐらい古いはずの「攻殻」ネット世界が今でも新鮮味を失わずに読めるってのは恐ろしいことだね)

TRPGとしての醍醐味は、なんと言ってもスピーディかつデッドリーな戦闘システム。1ターンが3秒という短さの中で、全身に強化反射神経を埋め込んだサムライどもが3回も行動して鉛弾を叩き込み、魔力の半ばを機械化の代償に支払ったメイジが理力球で防弾ガラスの向こうの敵を葬り去る。一回の行動ミスが死を招きかねない、そんな線での勝負となる。また非戦闘系スキルでも、豊富な知識系スキルでマスターから情報を引き出したり、各階級の作法を元に、交渉や尋問、果ては拷問まで扱うシステムとなっていて、それらを使ったマスターとプレイヤーの微妙な駆け引きもまた楽し。ルールが結構細かく大変だけど、一方で広範囲な状況を扱えるよう十分抽象化もされている。例えば他のルールだと「羽交い絞めにされ喉元に刃を突きつけられた状態」などは特例としてマスター判断の処理を行わなければならないのが普通だけど、シャドウラン・ルールでは戦闘ルールの応用で扱えてしまったりするのだ。

TPRGの面白さは、やはりそんなルールの絶妙な適用にあるのだと思う。対人間であり「なんでもできる」のは確かに面白みではあるんだけど、そこには「ルール」というお互い従うべき尺度があり、その制限の上で遊ぶからこそ「ゲーム」になり、本当の面白みが生まれるのだろう(TRPG以外のゲームでは当然のことだが、残念ながらTPRGでは守られないことが多々ある)。マスターの中にはルールを参考資料程度に捉え、その場の恣意的判断に任せる人もいるけれど、それは却ってプレイヤーの行動を制限してしまう──なんせプレイヤーは自分の起こす行動の結果を予測する指標を持てなくなってしまうのだから。またルールを「ハウスルール」として曲げてプレイヤーを際限なく強くする人もいるが、本質的にTRPGのシステムはプレイヤーに十分優しく出来ている。楽しむためのハウスルールを否定するものではないけれど、プレイヤーを強くして得られる快は一時のモノだ。グラディウスコナミコマンドでクリアしても楽しいのは最初だけ、というのと似ているかもしれない。

TRPGが「娯楽」として現在衰退している理由の一つはその辺にあるのかもしれない。TRPGは明らかに「厨房」だけでプレイするとすぐに詰まらなくなり、遊び続ける面白さを得るには双方「プレイ感覚」なるものが必要となる。これはどうしても熟練のTRPGゲーマーと一緒にプレイをすることでしか培えないモノであるが、そんな熟練プレイヤーと初心者の交流場所であるはずのコンベンション等は、厨房の身勝手マスタリングやごっこプレイがプレイ人口を磨り潰してしまい、現状滅多にお目に掛かれない。お目に掛かれないからこそ厨房プレイは厨房プレイのままで……いかん、これではネガティブ・スパイラルである。

ウチらTRPG仲間は「TRPGの楽しみを追求したい」だけであって、別に「我等が正道」とも「正道のプレイスタイルを普及させたい」なぞとも1mmも思っちゃいない。ただゲームとしてのTRPGを追い求めていたほうが長く楽しみを追求していけるのは確かで、とりあえず身内ではそれで頑張ることを目指しているだけなのだ。「それが正しいから」ではなく、「それがより楽しいから」という理由で周りも引っ張れたらなぁ、と思う辺り、メリット面からW3C標準を取り入れようとし、とりあえず自分はそれで頑張るというCSSデザイナーサイト群とちょっぴり相通じるところもあるな、などと思う今日この頃。

我ながら強引なオチだのぅ。

Summary="−−−−" Physical:-- (2003/02/22)

【2003-02-23-日】

【アフターフォロー】

ヘイジョージ! 昨日のTRPGの話だけどさ、今時の人には「テーブルトークRPGって何?」ってトコから説明しないと駄目みたいだぜ! HAHAHA!

マイナー趣味の悲哀ここにあり、か……∧||∧

【マスタリング結果】

さてもう全ての人がTRPGの何たるかを知っていて、シャドウランというルールも耳に挟んだ事のある、という前提で話を続けよう(ぉ)

先日散々悩んだマスタリングの準備ですが、終わってみれば案の定バランス取りはイマイチでした。最終戦ではプレイヤーの一人に致死ダメージ(放置すれば死亡)を必要も無いところで与えてしまったし、当初の戦術にこだわり過ぎてプレイヤーの後衛にダメージが集中する結果となってしまったし。またシナリオハンドリングは一部成功一部失敗といった具合で、情報の出し方にまだまだ問題があるなぁ、という感じでした。

とはいえ、前回以来頭の中で考えて続けていたマスタリング理論の一部は確実に実践できたのも確か。久方ぶりのマスタリングではあったけれど、目標値の与え方やイベントハンドリング──プレイヤーに自由に行動させつつ、一方でマスターの予測範囲内にその行動を収める──ことにも一定の成功を収めたし。

TRPGもゲームである以上、個々の細かなルールの違いに捕らわれない普遍的な「定石」というモノがあり、特に「定石」はプレイヤーではなくマスターの側に多数存在しているのであります。今やそういうノウハウの多くはネットで読める中、実際のプレイはできずに鬱々と仮説が自分の中に溜まっていたわけで。それらを一挙に実践する場として、今回のプレイは大変楽しませてもらったのでした。幸せなプレイヤー達に恵まれたってのも大きいんだけどね:)

Summary="−−−−" Physical:-- (2003/02/23)

【2003-02-24-月】

【かくして普通の人】

なんだか真人間にでもなったかのように忙しく仕事をしていて全然更新できていませんでした。うぐぅ。そんなわけで、ちょっとまとめて日記書き。

【回避ポリシー】

維如星の移動時における対人回避アルゴリズムは至ってシンプルである。

相手が(相手の)右によければ、私も(自分の)右に避け、
相手が(相手の)左によければ、私も(自分の)左に避け、
相手がこちらなど眼中になく真っ直ぐ突っ込んでくれば、私も少し片肩を前に入れて真っ直ぐ進む、と。

天下の往来で「周りはみんな避けるもの」と思い込んでお進みになるオバハンやバカップルの為に進路を変える気なんぞサラサラありませんが(・∀・)何か?

しかしこう考えると「衝突回避」ってなかなか教訓的ですな。自分の意図や行動を鏡のように反された時に、結果として自分も相手も巧く行くか、真っ向衝突する羽目になるか。それは歩いている時の判断に留まらず、あらゆる事象に応用できそうだ、という点でね。

Summary="−−−−" Physical:-- (2003/02/24)

【2003-02-27-木】

【The Black Mages】

Final Fantasyシリーズの作曲を手掛けている植松伸夫氏本人の手による、FF戦闘曲アレンジCD「The Black Mages」衝動買いで購入。オンラインショップってなぁ衝動買い支援システムなので非常に危険である。(まぁシリーズ本を1clickで買わせてしまうオンライン書店よりはマシかもしれんが……)

中身の出来は流石によい。なんというか、FFを真面目にプレイしていたのは7、9まで(あえて8を外し)と少し時間を置いていることもあり、妙な懐かしさが込み上げてくる。……考えてみれば、FFシリーズってのは俺が中学〜高校の頃に一番プレイしていたわけで、それはつまり同時期のゲーム世代である「自分より4〜5歳上から4〜5歳下まで」の広範な人間に、それなりの深さをもって通じてしまう結構すごい話題だったりしますな。一昔前のウルトラマンなんかと似たようなものだろうけど、同一ゲームをプレイした人間の年齢幅は、恐らく同一特撮を見た人間の年齢幅よりも広いだろうし。

結構上の先輩に普通に話が通じたのでちょっと不思議だったけど、考えてみれば当たり前のことでした。納得。

【ぁぅ。】

夜はぷく氏とAW@渋谷へ。まだ金曜には一日早いけど、明日は彼の予定が悪いとの事で、フライデイ・イヴということで寛ぎに行くことにした:)

ソファーカウンターで今日もマターリさせてもらったけど、どうもここのバーテンさんは「酒の導師」という感じではないらしい。「こんなのもありますがねぇ」とスルスル悪の道へ誘ってくれやがる(敬語)バーテンさんを多く見てきたので、その点ではちょっと物足りない。もちろんそれが悪いというのではなく、ここのバーテンさんはむしろ一人客の優しい話相手になるタイプらしい。それは酒導師とはまた違った、古来理想とされるバーテン像なわけで、この店に一人客、それも言い方が悪いが少々くたびれた感じの客を良く見かけるのにも肯けてしまうのである。

この店は積極的に酒を開拓していくというよりは、少し人生に疲れた頃合にふらりと訪れるのに向いているのであろう。重厚なラムを傾けながら、そんなことを思う平日の夜。

……ちなみにこの店、「えーだぶりゅー」と読んでいたのだけど、ふと電話に出たバーテンさんによって「あう」と読むことが判明しました。

Summary="−−−−" Physical:-- (2003/02/27)

【2003-02-28-金】

【TGIF, maybe.】

ようやく迎えた金曜日。

しかし今夜はメシの相手にことごとく振られ、一緒に酒を飲む相手もなく、何気なしに横浜まで戻ってきてしまっていた。乗り換えへと歩きながらフラフラと考える。折角だから横浜で旨いもんでも食って帰ろうか、Serieにお邪魔してのんびりシェリーでも呑みながら一級のプレートを楽しむのも悪くない。あるいは久々にラーメンでも食って帰るかな、いやいやメシは適当に済ませてStonefreeで重厚に飲んでいくかしら───

目の前を通った脚の綺麗な女子高生をスイと目線で追いかけてたら、いつの間にか私鉄の改札をくぐってしまったワタクシ(w)。引き返すのもアフォらしいので帰ることにするか……。

【long time ago, far away in the Chiyodaku─】

ふらりと家に帰ったらアージュの新作「マブラヴ」が家に届いていた。

……すっっっっっかり存在を忘れてたYO!(ぉぃ)

最近こっち方面の情報にまるで疎くなってしまっていたし、第一FC通販を申し込んだのは実に一年も前なのである。覚えておけというほうが難しい。ギャグ寄りの内容ってことで、さほど二次創作の元ネタとしては期待してなかったしね。ま、何にせよペーパーウェアではなくなったことはめでたいめでたい。

というわけで、本人すら忘れていた荷物の着払い請求を訳も分からず払わされて御冠の家族にまずは釈明をせねばならないのであった……。T.G.I.F.

Summary="−−−−" Physical:-- (2003/02/28)

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