VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
あれからちょうど十年が過ぎた。
今でもあの日の事は鮮明に覚えている。成田空港で自販機の豊富なラインナップに喜び、コンビニの握り飯を頬張り、そしてたかが帰宅用電車に40ドルも掛かると知って日本の物価に驚愕した日のことを。今思えば成田エクスプレスなので当然ではあるけれど、五年間慣れ親しんだ20ドル札=万券ぐらいなメリケンでの金銭感覚で言えばいきなり2万円ほどふんだくられた気分なわけで、なかなか忘れようったってそうはいかない(苦笑)。
そして十年。それなりに山もあったし谷もあったが、本当の意味で精神的に手ひどく苦しんだのは一度きり。決して平穏ではないけれど、総じて楽しかったと呼べる十年を過ごしてきたと思っている。何より、あの頃にはまったく想像もつかなかった自分が今ここにいるのが実に楽しい。生活環境面は純粋に当時の知識の範疇外なだけだけど、趣味面、そして性格や生き方については、まぁ随分と変わったものだと我ながら笑ってしまうのだ。
この十年を振り返ってもう少し色々書き連ねようと思ったけど、原稿に追われすぎて落ち着かないのでまた後日。忘れ去られる可能性が大だけど。
今日の一滴="−−−−" (2006/07/07)