VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 07月下旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2006-07-24-月】

新刊延長戦

はい。夏コミ新刊・ToHeart2小説「夏色透かす桜の木陰と小さな貴婦人たち」、順調に延長戦突入しております。orz

あのその、書いても書いても終わらないというか。決してネタに詰まって書けていないわけではなく、むしろ話が重すぎて書けども書けども進まない、というような状況です。先週金曜には有休を取り、3日間のダブラー生活を送り一日16時間原稿書いてもまだ終わらない。……そんな超苦吟モードなわけですが、話の内容としては個人的にはかなり満足が行っており、ささら、貴明、そして意外にもタマ姉辺りにも、巧く原作にはないスポットが当てられてるのではと自負しております。Leaf系甘々描写と、age仕込み奈須節風味の追い込みっぷりの二刀流にて、無事夏にお届けできるよう鋭意吐血中です。

恋に怯える、すべてのひとに。

ダブラーテクノロジー概説

身内ではDD(デイダブラー)、WD(ウィークダブラー)とも呼ばれている修羅場手法。意外にもこれまで解説してこなかったのでこれを機会に。

端的に言えば、一日を12時間ずつの2ロットに分けて管理する手法。各ロットで8時間仕事して1時間雑用して3時間眠ることにより、8時間労働×2=16時間の労働を実施しつつ、24時間あたり6時間の睡眠を確保するのだ。そもそも所詮人間は8時間程度しか効率の良い労働は維持できず、例え徹夜などを使って長時間連続稼動しても、特に後半部分の作業効率が著しく低下する。また長期間の徹夜・短睡眠作業は身体が持たない上に、やはり作業効率が下がる一方という現実を踏まえている。同一期間で2倍近くのアウトプットがかなり現実的に可能となる。

意外なほど体力面では長持ちするのが、現実的と言われる所以である。真面目に言うと「多相性睡眠」と呼ばれる眠り方を取り入れた手法であり、元々人間本来の睡眠法に近いらしく、身体面での適応性は高い。かつてダヴィンチなども一日を4ロットで運用してたらしいし。修羅場でモカなど使うのは素人、人間所詮いかに回復手段を確保するかである、という経験則を地で行く方法なのだ。ちなみに如星お勧めの耳栓睡眠を併用し、3時間睡眠の品質を上げるのが更に有効。

問題は修羅場クオリティの16時間稼動を続けることで磨耗する精神の方で、これが「ウィークダブラー」と呼ばれているのも、7日間=14ロット以上運用すると脳死するのではと言われているため(笑)。修羅場の出力ではなく平時の仕事だったら、もう少し長持ちするかも。(あともしかしたら修羅場ダブラーでも適宜「1ロット休暇」を挟んだりすると長持ちするかもしれないけど怖いので想像しない。)

また現在の社会体制上、普通の勤め人では活用できないのが難点。現実的には学生、研究者、その他フリーランス、そして有休を取った同人屋(笑)向けの手法である。一応ロットを12/12の等分割ではなく会社勤めが機能するぐらいに傾斜をつけ、睡眠も同じく主睡眠・副睡眠みたいにすれば運用は可能らしいが……。つーかこの手法をチーム全体で採用する企業とかあったら嫌過ぎますよ。実際には超残業デスマ時には本気で有効だろうけどさ(苦笑)

ちなみに如星が使うときには、午前&午後4〜7時を睡眠に充てている。要するに普段の起床時間を基点に二分割すれば、ダブラー解除後もすぐ普通の生活に戻れるというわけ。……朝の4時まで原稿書いてから普通に7時に起きて出勤するってのはなかなかシュールでいいもんですよ(んなわけはない)

今日の一滴="コンクレバンゴールド" (2006/07/24)

【2006-07-27-木】

恋に怯える、全ての人に

ようやくおわりがみえてきました

夏の新刊ですが、「しかしこれもう、影の主人公はタマ姉なのでは……!!lapis風」という話になりつつあります。ささらシナリオにかこつけて色んなキャラの傷を切開する言峰如星、傷を持ったキャラはやはり書いてて楽しいという鬼畜な性格。つーかですね、直前にあんな恋愛論めいた話を書いたのがマズかったのか、如星が普段から恋愛に感じていることを端からぶち込んでいるような気がしなくもありません。ま、2年ぶりに書いた恋愛小説ですが、先のぶち込みと合わせ、その分納得の行く仕上がりにはなっているつもりです。正直、TH2を知らない人にも読んで欲しいぐらい。原作未読者用サマリーでもつけますかね?(笑)

今はもう一揃い書き上がり、品質を上げるモードに入ってます。ポプルスさん毎度マジごめんなさい。えーと、そして神慮の機械初の「続編本」になってしまう予定です。予めご了承ください。……その分、中身にはご期待くださいませ。

最近は半ば無線封鎖の日々なわけですが、この辺りで同人活動に関するかなり面白い話があがってたりもして反応したいんですけどねー。補足とか反論とかしたいこともあるし。うう。全ては入稿済んでから。

以下予告編風。

(逃げ出したい。帰りたい。でも帰れる場所なんて、もう何処にもない───

あの生徒会室ですら、もはや河野貴明が扉を開いてしまい、
そしてその扉を開け放ったまま、彼は彼女の元からいなくなってしまうのだ。


「タカ坊──貴方、久寿川さんを見捨てたのね」
なんでタマ姉が。嘘だ。俺が悪いんじゃない。違うんだタマ姉。それは違うんだ──
「違うんだ! 俺はただ先輩を守りたくて!」
だが何が違うのか。自分に向かって並べ立てる言い訳の全てが空回っているというのに。


「どいて。あたし、たかりゃんに用があるの」
「お断りします。この先は私たちの領域ですから」
その背中に、お互い護るべき者がいる。視線が交錯し、
見えないチカラが互いの眉間を強く強く圧迫する。


「タカくん──わたし、昨日久寿川先輩と──


───最後の選択。俺は、

「夏色透かす桜の木陰」

今日の一滴="−−−−" (2006/07/27)

【2006-07-29-土】

戦時動員体制解除

本文サンプル

最近本の話ばかりでアレですが。本日朝、ToHeart2小説「夏色透かす桜の木陰と小さな貴婦人たち」の入稿を無事完了いたしました。ふー。今夏も何とか新刊で皆様をお迎えできます。

今回ダブラーを遂に禁断の7日間、しかも勤め人には向かないと書いた矢先から、自ら期間後半を会社との傾斜配分ダブラーで執筆を続けるという大修羅場でしたが、執筆自体は苦しくも実に楽しかったのです:) 久方ぶりの恋愛物の上に、先日書いたように如星の恋愛感を諸所に盛り込めたのが楽しみの根源でしょうか。また近年すっかり春夏2回執筆モードの如星ですが、今年は春先にBNL向けで少しエンジンを上げておいたこともあり、文章を練り込むという点でもかなり高い品質でお届けできたのではないかと思っております。ダブラー活用で体力も結構持ちましたしね:)

また今回、先日書いた「正直、TH2を知らない人にも読んで欲しいぐらい」という台詞にありがたくもコメントを頂き、実際に原作未読者向けキャラ&ささらシナリオ概要を添付いたしました。ええ、ダブラー放棄徹夜明け午前9時・締切まであと3時間という状況で書き上げましたよ(笑)。おかげで妙にハイテンションかつ皮肉の効いた表現が多くなってしまいましたが、嘘は書いてませんのでご安心を。

それでは、コミックマーケット70・三日目東J-31b「神慮の機械」にて。今夏も皆様のお越しをお待ち申し上げております。それにしても、前回のCM69のFateに続きまたしても、TH2エリアの最果ての地だってのはどういう嫌がらせなのか……(苦笑)

ぬくす打ち上げオフ

ちなみにこの日はClub NYX@銀座にて、同日締切の葡萄氏と合わせて入稿お疲れオフを。……というのが半分、本当は柚帆さんとこの結婚おめでとう@某チャネルオフでした。

10人の大人数で押しかけたのは初めてで、無論事前に連絡し、内容はほぼお店側にお任せでアレンジ。「マニアックな食い物スキーばかりですんで」と伝えておいたら、きっちりと「素敵なもの」を色々取り揃えていただきました:) ええ、蛙から蝸牛からザリガニ、豚の血のソーセージまでたっぷりと(笑)。兎のゼリー寄せやアーティーチョークの前菜、そして以前絶賛したサフランイカ飯も登場。端から端までたっぷりと遊ばせていただき、各面子にもご満足いただけた模様。ほんと、無茶なアレンジを快く&全力で受けてくださったお店に感謝すると同時に、店の底力もひしひしと感じられた夜でありました。いやー旨かった:)

今日の一滴="マール:相変わらず名前失念" (2006/07/29)


 
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