VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
有栖山公園さんにて取りまとめたヤンデレ小説合同本「日本病的恋愛譚」に参加しました。11/11の病み鍋PARTY2にて発行予定だそうです。
……と言っても、実は私自身は小説での参加ではなく、解説文及び本のデザイン全般での参加だったり。この作品は11人の物書きがそれぞれ日本の昔話を題材に短編小説を起こしたモノで、その原作と絡めた解説を如星の方で書かせていただきました。浦島太郎や鶴の恩返しに始まり酒呑童子や古事記の天孫降臨に至るまで、幅広い説話を扱うのはなかなかしんどくもあったのですが、一方で物語のルーツを追ってみるとこれがなかなか楽しいものでした。
またデザインについては普段如星が扱わない「和風」をイメージしたモノということで、慣れない面も多かったのですが新しい世界は楽しくもあり、如星が自身の「神慮の機械」で掲げているポリシー、「体裁や構成まで高品質な小説本」を何とか盛り込めたのではないかなぁと思っております。機会がありましたら是非お手にとっていただければ幸いです。
繰り返しになりますが、解説文にしても和風デザインにしても、今までやった事の無い形で「同人誌」に関わるってのはホント楽しいモンです。ああ、自分って本作り自体が好きなんだなー、と改めて実感。
……さて、次は自分の冬コミの本ですね(苦笑)。さてどうしよう……。
今日の一滴="−−−−" (2007/11/01)
2007/11/03から、amazonの「分割配送」時の配送料が変更になっている。なるほど、今までは「注文全体の金額が1500円以上であれば」「分割の結果1回の配送分の合計が1500円以下になろうと、送料無料」だったけど、これからは分割した発送単位ごとに1500円ルールが適用される……と思ったら、これが違うのである。そんな変更であれば、今までが安かったしなぁ、で済む話だったのだが。
結論から言うと、分割配送時にはどう分割されようと、全注文中に含まれる1500円以下の商品数分の送料が掛かることになったようだ。発送単位の合計金額はまるで関係ないので注意──送料の妥当性はともかく、なんとも「罠」な話になっているようだ。
まずは、amazon公式の告知・ヘルプから。
amazon「一括発送と分割発送」注文の合計金額が¥1,500(税込)以上でも、商品代金が¥1,500(税込)に満たない商品には、配送料が加算されますのでご注意ください。詳しくは、以下の表をご覧ください。
- 2000円と2000円の商品を注文 ⇒ 無料 (商品代金が1500円以上なので配送料無料)
- 1000円と2000円の商品を注文 ⇒ 配送料300円 (1回分の配送料が加算 [1500円未満の商品が1つあるため])
- 700円と500円の商品を注文 ⇒ 配送料600円 (2回分の配送料が加算 [1500円未満のため])
※「分割発送」を選択した場合、結果的に商品が一度に発送された場合でも、商品代金に応じた配送料が加算されます。
この説明、2商品で2分割の例しかないので分かりづらいのだが、とりあえず上記最後の一文に注目。2番目の例の説明もよく読むと「1500円未満の発送が1つあるため」ではなく「1500円未満の商品が1つあるため」
となっている。3番目の例はあたかも「2分割された結果それぞれの発送単位が1500円以下なので」送料が2回分掛かっているように読めるが、実際は「1500円以下の商品が2つあるから」2回分の送料が掛かっているのである。
改めて例を書き直してみよう。
1000円(A)、700円(B)、600円(C)、500円(D)、2000円(E)の商品を注文、分割配送を指定
A+B(1000+700=1700円分)、C+D(600+500=1100円分)、D(2000円分)の3回に分けて送られてくる
この場合の送料は何回分掛かると思うだろうか? 何となく「1500円以下の配送回数(=1)」を想像してしまうのだが、現実には「配送回数(=3)」ですらなく、「1500円以下の商品数(=4)」×送料が請求されるのだ。つまり300×4=1200円。もし1500円以下の商品を10点買って分割配送を選ぶと、たとえ2回で全部届こうと、3000円の送料が掛かるってことである。……まさかと思うかもしれないし、最初は如星も「最大の発送回数を想定した額の表示」
関連のバグじゃねえかと思ったのだが、実際に遭遇した人がいるのでどうやらそういう仕様らしい。
いやー、如星自身はプライマーになってしまったので追試はできないし影響もないのだが、本当だとしたらamazonはプライム利用以外はありえない気がするね。プライム or 楽天etc.というか……対策も不可能ではないけど、小物をカートにぽいぽい放り込んでガサッと買う手軽さが失われてしまう。だがこの話、意外と気づいてない人が多い気がする……如星身辺でもあまり話題にならないし。分割配送をする人が少ないのか、送料の部分なんてもうスルーするようになってるからか、それともブロガー連中は訓練されたネット市民なのでプライマーばかりだからか(苦笑)。如星自身は、カートに溜めてからまとめflushしたり、小耳に挟んだ古い小説を追加したりする(発送時期がバラつく=一括だと遅い方に合わされてしまう)都合上、結構分割配送は利用してるんだがなぁ……。
実際に追試してみて「そんなことはなかった」という方がいらっしゃればご一報を。
意外に反応があったので(やっぱり知られてないのか……)ちょっと補足。
結構インパクトの大きい変更にも関わらず、である。
むしろ今まで分割後に1500円以下になっても請求されてなかったのが不思議なぐらいなので(請求される事があります、とか曖昧な書き方だったし)、なんだ分割して1500円以下になった配送分は送料掛かるのねまぁしょうがないかハッハッハ、と早合点してしまいそう。
前述の誤解を生みそうな変更なのに、公式例は分割回数と1500円以下の商品数が同じ「2」と分かりづらく、例示に網羅性がない。前項の想像と合わせ、この辺がタイトルを「想像より極悪」とした所以だ。送料の妥当性が云々というよりは、大きな変更なのにトラップ的に掛かってしまいそうな点を問題視。
如星の場合、カート内に一つだけ「入荷に4-6週間」な品や「予約品」等を混ぜたまま注文を確定したい時。これはカートを「あとで買うリスト」的に使っていると発生しやすい──確定時に注文を分けられない訳ではないが([今は買わない]を使う等)、1-click決済の手軽さが失われるので注文後にアカウントサービスから分割する方が楽だったり。
特に予約品については、カートを分けてくれればと毎度思うんだよなぁ。
今日の一滴="−−−−" (2007/11/04)
先日書いたamazon分割配送ネタがやたらと話題を呼んだようで、ウチの日記にしては珍しく、はてブが積みあがったりニュースサイトから多々リンクされたりしたわけだが、これはなかなか面白い体験だった。まずは妥当に反応への反応辺りから書いてみよう。
いやもう一番の驚きはこれ。「分割配送しないから関係ないけど」という反応が意外なほど多かった。みんな1500円以下の予約品をカートに入れたりしないのかなぁ……。1500円以上なら一発送料無料なのでカートに入れる間も無く1-Clickして済ますから分かるんだけど。
amazonに限らず、ネットワークサービスってのは色んな(自分が想像もしない)利用形態があるのが普通だとは分かってたけど、結構普遍的だと思っていた標準機能の分割サービスですらこれだけ明確に分かれるのか、と気づかされたのは収穫だった。いやネットワークサービスにすら限らず、あらゆるアプリケーションは人によって全然違う使い方をしてるモンだね。面白いなぁ。
しかし一方で反応に困ったのが「分割使わなきゃいいじゃん」というコメント(上との違いに注意)。
はてブのその他のコメントや元々この話を見つけてきたうそ氏の日記見ても分かると思うけど、まぁ現実に使う人がいるわけですね、俺を含め。この手の「俺が使わない利用法は価値が無い。使う奴がおかしい。だからそれへの文句も価値が無い」の三段論法は結構見かけるので全然驚きは無かったんだけど、自分のところで見られたのは面白かった。一応蛇足ながら反応しておくと、使わない人なら本当に影響が無いんでスルーしておk。使う人の文句にまで付き合うことはなかろう:)
いや、その……普通も何も、一応変更前までamazonは元エントリの一行目にも書いてあるような送料軽減サービスを提供していたわけで。原油高だの何だの「普通じゃなくなった」という指摘は確かに可能なんだけど、そもそもこの話は「送料変更の妥当性はともかく」「ユーザーの負担が増える方向に変わった」「しかも直感的に想定される変更ではなく」「おまけに公式説明が分かりづらい」「つまり罠」というモノなので、送料負担が普通とかいう議論をされても困っちゃうわけですよ。
「嫌なら使うな」って人もいたけど、だから使うなも何も、俺自身はプライマーで基本的には関係ないって書いてるじゃんかー!(苦笑) 罠っぽいから老婆心で指摘してるだけなのー!(涙)
……ただし、これは下のネタに続く。
amazon分割配送ネタ後日談、余談というか、文章そのものやアクセスを集めた事自体への感想編。
いやもう二番目の驚きというかショックはこれ。一応同人小説書いたりして「分かりやすい表現」には気をつけてたつもりだけど、初期のコメントに「つまり分割して1500円以下だと送料掛かるんですね」という「本文中で誤解と例示したそのまんま」な台詞が上がってるのを見て愕然とした。
慌てて自分の書いたモノを読み返すと、確かにこれが分かりづらいんだな。ま、これはそもそもamazonの今回の変更が如何に分かりづらいかって事を示す一例でもあるんだけど、その誤解を正すために書いたモノを読んでなお同じ誤解をしちまうのは明らかに俺の文章が問題。
加えて、前述の「普通じゃん」「極悪は言いすぎ」ってのも、「想像より極悪」つまり「直感的に想定する変更(想像)より鬼、気づかないと酷い目に(極悪)」の意で書いてたのだが、初稿では確かにそれは読み取れない。慌てて元エントリ下部にある「まとめ」を継ぎ足したのだけど、本来ならこういう「言い分」の箇条書きを頭にでも書いておくべきだよなー。一度上げてしまってそれなりにリファされた文章をがさっと変えるのも躊躇われて、ツギハギパッチみたいな事になってしまった。だから相変わらず分かりづらいところは分かりづらいままです。超反省。
とは言え、一方でリアルタイムでコメントが積みあがる様を見ていたおかげで、これらの継ぎ足しパッチの効果かある程度誤解が減ったらしいのは実感できた。これまた楽しかった経験の一つ。
一方で、もしかしたら出てくるかなー、と他力本願に思ってたのだけど、やはりコメントでも、リンクしてくれたニュース他ブログ等でも、実際に注文して実証してみましたよー、という猛者は現れなかった(ただし、直コメントで体験談を寄せてくれた人はいた)。近い友人の体験談がベースなので超ガセという事はなさそうだからこそ書いたわけだけど、それでも自分で裏を取ってない話を書くのは結構怖い。
いやさ、本当に俺が書いた今回の送料計算方法が間違ってたとしたら、俺はすさまじく「釣っちゃった」ことになるわけで。そうだったら大炎上で神慮の機械閉鎖。俺涙目。釣る釣らないの意図はともかく、確証の無い話でもこれだけ急速に広まるのかと思うとなかなか恐ろしいものがある。まぁ、嘘だったら全力で火消しに努力はさせてもらうけど、いかんせん一過性アクセスしか集めない弱小日記だからねぇ……。怖。
訓練されたamazonユーザーたるプライマーなので、これからも生涯忠誠バイオアダイ。
本当に中身を読んでくれない人にはどうしようもない。
元々お急ぎ便はヤマト、通常便はペリカンぽいすよ。配送屋のクオリティは地元の配送センターのクオリティで決まることが多いので、一概にどっちがいいと言えない辺りは注意。例えばウチはペリカンの方が圧倒的に良かった。ヤマトは一度クレーム問題に発展したわ。
今俺の脳内は購入3日後でRRoD食らった箱○のことで一杯。
今日の一滴="−−−−" (2007/11/06)
飯田橋のイタリアン「スクニッツォ」に連れられて行ってみた。久々の新規イタリアン開拓だったけど、野菜のがっちりとした旨さが際立つ、上から下まで外れの無い名店でしたよ:)
今回の同行者は旨い物系として最も信頼できる友人の一人なので、店の選択にはまったく心配してなかったのだけど、その当初の安心と期待を一切裏切ること無く、味もサービスも大満足。フルポーションのイタリアンを4時間掛けてがっつりと楽しめてしまった。……実はその友人も前菜とドルチェしか試したことが無かったのはご愛嬌。価格帯としてもトラットリア級で、決して高い部類ではないのがむしろ驚きだ。
ともかく、冒頭にも書いたけど野菜がとにかく旨い。使っている根菜の味わいがどっしりとしているので、肉や魚介にまったく負けず互角に伍しているのだ。
例えば前菜の「豚舌のグリルと根野菜のポトフ」、炭の香りがほのかについた肉厚の豚舌と、同じく炭の香りを吸い込んだ根菜が旨みのオーラを出しまくっている。トリッパのトマト煮は最近見つけ次第試している「試金石」のようなメニューだけど、ここの皿はまずトリッパの弾力がすごい。むっちりとしたフレッシュさで、それがパスタソースかと思うほどフレッシュで形の残るトマトソースに浸っている。多分、煮込んだトマトソースに更にフレッシュなのをぶっ掛けてる気がする……トマトが旨い。
魚介の使い方も巧く、桜海老のパスタは運ばれてきた瞬間からあの香ばしい桜海老の匂いがテーブル中に漂ってきた。カンティノーラは初めて聞いたソースだったけど、まるでズッパ・ディ・ペッシェみたいな日本人好みの魚介の旨みがてんこ盛り。……ああ、もちろんポルチーニはもうそれ単体で旨かったのだけど:) 相方がメインに据えたアイナメは、ベッカッチャ以来「ドーバーソール級」と身内で呼んでいるレベルに久々に到達した、白身なのにしっかりとした旨みの詰まった逸品だった上に、下に敷いてある大根が強烈に旨みを吸っている。聞けば、この「源助大根」は加賀野菜なんだとか。ああ、やっぱり地味にあった野菜は強いなぁ……。蝦夷鹿は思っていたよりあっさり目だけど赤身の旨みはしっかり、そしてやっぱり付け合せのサツマイモやカブが旨くてたまらない。
グラッパの揃えも良かったし(十数種はあったかな)、ドルチェも全然手が抜かれていない。ジェラートに赤唐辛子、添えられたオレンジコンポートには胡椒と、スパイスの効いたチョコラーテは流石である。まさに最初に書いたように、上から下までがっつり4時間、楽しめきれてしまう店なのでした。フロアに出ているオーナーらしきおじ様もいかにもイタリアスキーなオーラが出ているし、ウェイターも総じてトラットリアらしいフレンドリーさ。これは絶対リピートしちまうなー。
今日の一滴="−−−−" (2007/11/09)