VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.
こうして今年もまた夏の宴がやってくる。……コミケが来ると夏本番という感じがするのに、コミケが終わると夏が終わった気分になるというこの不思議。短い夏万歳というか、夏の存在を認めたくないらしい如星である(苦笑)。
さておき、夏コミ1日目。午前中は日差しの割りに気温はさして上がらず、外は風が吹けば少しは涼しいぐらいで助かったのだけど、問題は室内。と言うか、今年は何故か東西の人の流れが尋常ではなく、東西通路が例年に無い大渋滞。折りしも午後から温度の上がってきたところで、すし詰め電車状態で40度越え湿度90%の中を牛歩で20分、というとんでもない苦行が発生していたのである……。や、本当にちょっと命の危険を感じた。日が照ってるわけじゃないのに肩から上が異常に熱を持ってるのが分かり、これって熱中症の典型的な症状ではと焦る焦る。多少扇子で扇いでもあまりの湿度で何一つ気化しないので一切涼しさはなく。明日以降もこうだとすると東西移動は例年にも増して避けたいなぁ……。
今日は主に例によってマリみてジャンルを見て回る。なお先日自宅の書籍棚を大整理した結果「貴様、マリみて買い過ぎ」という事実が判明、いや買い過ぎと言っても駄本など一冊も無く自慢のコレクションではあるのだが我が所蔵中最大数のジャンルであることは確かでこの増加ペースが続けばもはや破綻は明らかであり云々──えーと、要するに「少々選別眼を厳し目にして買おう」と結論付けたのである。いつもなら即買のところを4秒思考し、本を置くこともしばしば。おかげで今日の戦利品は高さ10cm程度に抑えられたのであった! 目出度し!
……何かが間違ってる気がしなくも無い。ま、逆に本当に珠玉の本が揃ったわけだがねー。
如星が書かせてもらっているTRPGサークルの方も無事完売したようで、書き手としては嬉しい限り。ともあれ、3日目以降の準備もあるのでこの日は早めの14時前にスペースごと撤収。地獄のような暑さだったけど、それでもやっぱり楽しいと思えてしまう麻薬のような宴でありますな。
今日の一滴="−−−−" (2007/08/17)
なんですかこの異常な涼しさは、というぐらい快適な一日でした。前日、灼熱などモノともせず己の欲望の為に前進し、そして倒れた生贄どもを有明の神が見てくだすったのか(苦笑)。如星自身もこの日は昼頃のんびりと着弾し、鋼練やもやしもん、Hellsingなどを見て回るまったり買物日でありました。
例えば、鋼練。キャラが立っている少年漫画の、女性の描く同人誌群というのは本当に魅力的なんですよね。女性向けの方が基本的に心理描写、内面描写に力を入れるという傾向は確かにあり、それは如星のストーリ性至上主義と非常によく合う。それはシリアスに限らずドタバタやギャグでも同じで、男性作家がどちらかと言えばシチュ描きとしてのイベントで話を作るのと対照的なんですよね。無論、後者は後者の良さがあるのだけど。
例えば、Fate。腐女子層のついたギャルゲとしても知られてきましたが、実際女性の描くFate本は本当に良いものが多い。ま、普通に美形男の多いが故の掛け算漫画も多いんですが、それにしたって言峰やランサー等、渋みのあるキャラを扱うし。あと弓凛本を描くのも基本的に女性で、これまたあの野郎の微妙な内面を色恋のような主従のような微妙な関係に落とし込んだ作品が多いのです。ホント、毎度ごっつぁんです:)
ともあれ、原作上立ったキャラが多いということは、本の題材、カップリングが豊富ということでもあり、自然と──正確には、各組み合わせにそれぞれファン層がつき、結果としてジャンル自体の層が分厚くなり、母数が増えることで──同人誌群も豊作となるわけです。先日のマリみてなんかも典型的なこのパターンで、一ジャンルなのに多数のサブジャンルを内包し、しかしそれぞれが共鳴しあって作品作りに影響し、土壌としての母ジャンルを強めているわけです。Fateが女性向けとして(質は良くとも量として)爆発はしないのは、この組み合わせパターンが比較的少ないからかもしれませんね。
ま、おかげで買えども買えども尽きぬ地獄の
余談。先日相方と同人関連の話をしていた時、話が鋼練に及んだ瞬間、ヒュロイ(何)やロイアイ(何々)の愛の理由について滔々と爆発的に語りだそうとする如星が。……しかしその直後、自分自身で「あ、801ちゃんが背中から飛び出てくるってこういう瞬間かー」と妙に客観的に見えてしまい、むしろそっちの方が可笑しくて噴いてしまった件。いやホント、バリッと背中が破れる音がしたよ! きゃー!(びったんびったん)
……我が方においてはあの漫画の関係性の性別が逆転してるってのはどうなのよ。
今日の一滴="−−−−" (2007/08/18)
今年も無事夏コミが終了しました! 本日「神慮の機械」までお越しくださった皆様、本当にありがとうございました。また炎熱の中参加された全ての同志にお疲れ様を。実は去年とまったく同じく80%の降水確率を前々日になって跳ね返すという、恐るべきオタクエネルギーが発揮された一日でしたが、さりとて気温は1日目程ではなく、何とか凌げる夏コミだった気がします。 ……ま、1日目が地獄に過ぎただけかもしれませんが(38度だったのね……)。
さて、まず今回のFate側新刊「Fate/Zero Squared」は皆様のお陰をもちまして持込分完売を頂戴いたしました。本当にありがとうございます! 如星としては一年半ぶりのFate帰還でしたが、「待ってました」と歓迎してくださる方もいらっしゃり、書き手としては嬉しい限りです。また女性のお客様にも多数お越しいただき、女性視点のFate本や評価が好きな如星としては実に光栄であります。……女性向けFateエリアが近かったこともあり、また切嗣ポスターに希求力があっただけかもしれませんが(笑)。
またTH2側新刊「葉桜に燈す夏への送り火」も、続刊最終巻としてご指名買いの方に多数お越しいただき、これまた書き手冥利に尽きます。何度もここで書いていますが、立読みでは判断しづらい小説本、まったく物書きは2冊目からが勝負であり、続刊ご指名とは「続きを読んでもいい」とご評価いただけた証なわけです。自身「夏色シリーズ」は自信作でもありますし、実際今回極力スペースにいるようにしたおかげで、直接「完結楽しみにしてました」の声を頂けたのが本当に嬉しいですね。やはり物書きってこういうささやかな一声が本当に励みになるものです。
なおFate側の新刊はとらのあなに書店委託しておりますので、夏コミに参加できなかった方など、よろしければご利用くださいませ(08/20現在、通販も開始されたようです)。またTH2新刊ですが、こちらは残部数が少ないこともあり書店委託は予定しておりません。久々にサイト通販を行いますので、よろしければご利用ください。また何処かでTH2系オンリー等あれば持参予定です。
さあ、次回冬コミ申込までが夏コミです! ……と例年焦りながら申込書を書いていたわけですが、オンライン化され期間が延びて以来、すっかりそんな緊張感がなくなってしまいましたね(アナログ送付だと全処理が22日まで、オンラインだと決済が28日、サークル情報に至っては来月4日まで)。正直、次回は超マイナージャンルであろう「狼と香辛料(小説系)」というのも真剣に考えたのですが、今回Zero Squaredを完結させられなかった事もあり、やはりFateで申込予定です。……でもホロロレ本は出したいです、マジで!
今日の一滴="−−−−" (2007/08/19)