VERBA VOLANT, SCRIPTA MANENT.

如星的茶葉暮らし

■ 03月中旬 ■

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酒の一滴は血の一滴。茶の一滴は心の一滴。ネタの一滴は人生の発露。


 

【2008-03-15-土】

フランス国王の抹香

前にもちょいと書いたけど、如星は香りモノが好きである。現代風の合成臭い香や「ブランドモノ」のフレグランスは苦手だけど、SMNPenhaligon's等、ちょっと日本人には馴染みの無い欧州の伝統的な香りの傾向にどっぷりハマりつつある。ま、これは元々紅茶趣味なんかでも、フレーバーと言えばマリアージュフレールの中でもフランス人受けしそうな「臭いモノ」が好きな辺りに表れてるのだけど。

さておき、そんな訳でいわゆるデパート1Fの派手な香水臭さとはちょっと違う、そっち系の香りモノを扱っている伊勢丹メンズの1Fなんかは嬉々として彷徨ってしまうところ。今日も別件の買い物ついでにふらふらと立ち寄ってしまったのだが、そこで見つけたのが写真の不思議な代物。「Parfum d'Empire」という耳慣れないブランド名、直訳すれば王朝の香りってところで、見れば確かにイスカンダルだのロシア皇帝だのがモチーフとして挙げられている。

まー結構いいお値段だし買うことはなかろうと思いつつも端から嗅いでみたのだが、右端の「フランス国王をイメージ」という奴で思わず笑ってしまった。いやーこれ、日本人には実に馴染みの深い「抹香の匂い」だったのだ。インド系の白檀ぽい寺の匂いというよりは、純日本の寺なんかで焚いてる沈香というか、抹香臭いと呼ばれる焚き染めた線香の匂いそのものなのである。これがフランス国王ってのも笑えるし、写真にあるように「シトラス・ハーブ・アニス・タバコ」をブレンドしていくと抹香になるって、それどんな長島紅茶だよと。や、このブランドの名誉のために言っておくと、香り自体は複雑さを持った素晴らしい物であり、良い香りを追っていったらたまたま東洋のアレに辿り着いたってだけなんだけどね。

ちなみに左端の「ロシア皇帝」は、「シャンパン・ウォッカ・スパイス」という言葉どおり、実に旨そうなスパイスケーキの匂いでありました。これを身につけるとちょっと旨そうすぎる、まさに「狼と香辛料」そのものに:)

再掲:「後ろめたさ」という誤解

お前らの趣味は、そんなに社会からの承認を必要とするのか?

自分の趣味に誇りを持って楽しむことと、社会一般に開陳することはまるで違う。「後ろめたい」を排除するのに必要なのは自分の心だけだ。そこに趣味を「万人に開陳する」「全ての人間に認めさせる」なんて必要性はまったくない。むしろまるで関係がないのだよ。

誰もがマスメディアの上で薄っぺらに語り、天気の話と同列で雑談に昇る安ドラマのような趣味に、この世界を持っていきたいのか? 「普通の人」とみなされたいが為の話題のネタが欲しいだけなのか? だったらテレビでも見とけ。

2007.08.01 如星的茶葉暮らし別館

今でもこの気持ちはまったく変わっていない。単なる自己承認、アンタ一個人が社会から承認されるための贄にオタク世界を使わないでくれ。「フツウの人」になりたいが為に、オタク趣味を「フツウの物」にしようとしないでくれ。「人よりカシコイ人」になりたいが為に、オタク趣味を「他より高尚な物」だなどと叫びださないでくれ。何より、そんなことをしても無駄だから。言っとくけどさ、何処であろうと無理なんだ。その惨めさは一生拭いされない。それはアンタが死ぬまで抱えていくものなんだから。その劣等感がある限り、アンタは一生悩み続ける。そんな無駄なことに、周りの人間を巻き込まないでくれ。

※例によって特定の一個人に宛てた日記ではありません。

(2008/03/15)

【2008-03-16-日】

パフェ・レギュームで野菜祭り

先日伊勢丹で面白いものを見つけたので思わず買ってみた。その名も「パフェ・レギューム」、つまり野菜パフェである。

店頭で売り込んでたおにーさんの口上に乗せられたって面もあるのだが、何より試食でばら撒いていた野菜が確かに本当に旨いのである。肉の味って脂で誤魔化されてしまうので「ちょっといい」程度の肉と普段食いとの区別ってつかないけど、野菜はそういう誤魔化しがない分、旨い野菜を食うと「これが同じ野菜か」とすら思うほどの違いを感じてしまうのだ。

ちなみに入っていた野菜一覧はこちら。特に面白かったのが、まずはペキポキ食感が面白い菜の花「紅菜苔」。パプリカも「食い応え」を感じるほどどっしりした代物だったし、定番のホワイトアスパラガスも缶詰とは全然違う、またフランス料理なんかで出てくる極太の物とも違う柔らかな旨さであった。普通の人参はサッカリンめいた嫌な甘さがあって正直好きではないのだが、この「ひとみ五寸にんじん」は鎌倉の「笹の葉」で食べた以来、久々に何の抵抗も無く味わえてしまった。

しかし何より、奇妙度ナンバーワンだったのが写真の「ソルトリーフ」。その名の通り、何もつけなくてもしょっぱいのだ! 写真を見てもらうと分かるように、表面に無数の水泡めいた粒がついており、ここに塩分を溜め込む不思議な野菜らしい。プチプチを噛み潰しているような歯ざわりも面白く、試食で食べたこれが欲しくて買ったようなものである:)

一つ900円と日常的に食うには高い代物だけど、のんびりできる週末の朝など、普段とはちょっと違う野菜の姿を楽しむにはぴったりのサイズである。お勧め……とは言っても期間限定で定常的に売ってるわけではないのが残念なところ。

(2008/03/16)


 
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